某一学生の雑記

日々考えてることを書きます。貧困問題や労働問題を一応中心に学んでいます。個人的には、メディアやジャーナリズムや教育に興味ありです。

奨学金という名の借金

こんにちは。今日は、行列のできる法律相談所でも取り上げられていた、「奨学金問題」について書きたいと思います。

 

 

そもそも何故、奨学金問題が生じてきたのかについて上記の、『奨学金問題全国対策会議』のホームページには下記のようにありました。

 

大学の学費が値上がりする一方で、家計は苦しくなり、今や大学生の2人に1人が何らかの奨学金を利用し、3人に1人が日本学生支援機構奨学金を借りています。

学費の値上がりにより奨学金の借入額も増える一方で、就職難や正社員に就けないことによる低賃金などにより、大学を卒業しても奨学金を返せない多くの人が生まれてしまいました。

機構の奨学金の2011年度末の延滞額は876億円、延滞者数は33万人にも上っているのが現状です。

他方、機構の奨学金では、債権回収会社ブラックリスト、訴訟等までも利用した徹底した回収強化策により、返済ができない人に対する無理な取り立てが行われ、奨学金を返したくても返せない人が、経済的にも、精神的にも追い詰められています。

奨学金の返済に苦しむ人は、構造的に生み出されている「被害者」です!

 

上記の通り、多くの問題が絡み合って生じる「構造的な問題」と言えるでしょう。

学費高騰・就職難・低賃金・学生の経済的困窮・返済額の多さ…多くの問題が奨学金に関係してきます。

 

学生の立場からすればこの問題は深刻です。大学在学時から奨学金の返済を意識し、就職してからも何十年もかけて奨学金を返済していきます。

 

そして、奨学金の返済があるために例えば、「大学院への進学をあきらめる」、「結婚をためらう」などの、人生選択が限定されるということが生じてきます。

 

奨学金は大学に入った時から何十年と、その人の人生を制限していく深刻な問題なのです。

 

では、この問題を解決するにはどうすればいいのでしょう。様々な議論がありますが、奨学金制度そのものを見直すことが早急でしょう。現状の奨学金制度では、この先さらに学生への負担は増す一方です。

 

そんな現状で、「もっと留学しよう」や「スーパーグローバル大学」と言われてもという感じです。

 

 

大学・学生と地域の協働の罠

久しぶりに書きます。

 

本日は、大学生と地域の協働(?)について思うことを書きます。最初にここで指す地域は、「高齢化率が高く地域コミュニティが機能していない」というような課題を抱えるところです。私の所属する大学もそうなんですが、「学生の力で地域活性化」とか「大学と地域の協働」みたいなのが最近やたら行われているように感じます。学生が過疎地域に行って町おこしをする留学・インターンもあるようです。海外に留学する人は昔からいましたが、日本の中の地域に留学・インターンをする人がでてきたのは興味深いことです。

 

さて、この大学・学生と地域の協働ですが、「いいことだ」という風に語られることが多いように感じます。「若者が地域を元気にする」、「学生の学びの場」、「地域コミュニティの復活!」などと語られるのではないでしょうか。

 

確かにすばらしいことです。そのような状態が「継続」されればですが。

 

ある学生が地域の中で何か始める

一定の成果をあげる

ある学生が就活に入る・卒業

続かない

 

この上記のパターンがかなり多くあると聞きますし、実際私もそのような姿を何度か目にしました。学生が学生として何かできるのは、特殊な事情を除けば4年間です。そこから就活やバイトなども考慮するともっと時間は少ないはずです。また、ある学生が後輩に活動を継続していくことも結構大変なことです。

 

ここまで、学生側の現状を見てきましたが、地域住民はどうでしょう。

 

学生と地域の協働が始まる

だんだんと学生がいることに慣れてくる

学生がただの労働力に

学生がいなくなる

元通り・悪化

 

上記のパターンがあると聞きます。私は、この状況を別に地域住民に非があるとは思いません。「まあ、そうだよなあ」と思います。高齢者が多く地域行事を担う人はおらずまた、地域コミュニティ(自治会など)がさほど機能しているわけでもないところに学生が来ても、学生を受け入れる体制はないし、学生と一緒に何かやる人も少ないのが当然です。そのような状況で地域振興とか地域おこしは、ただの学生の労働力確保にしかならず、結局何も変わることはないのです。

 

では、どうすればいいのでしょうか。

 

・大学・学生と地域の間にコーディネーターが入る

コーディネーターがいれば、学生と地域の活動の継続性はグッと高まるし、学生と地域の間にあるトラブルの回避・解決にもつながります。大学によっては、ボランティアコーディネーターを置いているところや自治体によってもその類の人がいる場合があるが、そのような人の存在が不可欠です

 

・やらない

何もしない方がかえっていいということもあります。中途半端に終わるぐらいなら学生は地域で何かやるよりも、やることがあると思います。また、地域も中途半端に盛り上がるくらいなら、それまで通り暮らしてた方がいいかもしれません。何というか、地域振興や地域おこしがただの啓蒙になりかねないと思います。

 

これといった解決策があるわけではありませんが、ただ現在の大学・学生と地域の協働を安易に良いことだと考えるのは早計ではないでしょうか。一過性のもので終わってしまうと、大学・学生と地域の両者にとってかえって良くない結果として残ってしまいます。継続というところがポイントですが、なかなか難しいのが現状です。

 

 

 

 

 

 

学生がスマートニュースを使ってみての感想

いろいろと忙しいのが先週だった。

 

先日のエントリーの最後に、最近話題のニュースアプリについて10名程度の学生で議論したことを書くと述べた。日は経ったが書いていくことにする。

若者のニュース離れ的な議論とは? - 拓く

 

先日(と言っても1ヶ月前くらいだが)、自分も含め10名程度でニュースアプリについて議論した。その内容は、事前に3つのニュースアプリをインストールして使用してもらい、その感想についてあれこれ話すといったものだ。事前にインストールしてもらったニュースアプリは、「Smart News」と「グノシー」と「News Picks」の3つである。今回は、その中で「Smart News」(以下スマートニュース)についての議論を取り上げ書いていきたい。

 

スマートニュースについての簡単な概要をまず述べると、リリースは2012年12月10日(先日ver.2のリリースがあった)であり、ホームページを見てみるとミッションが、「世界中の良質な情報を必要な人に届ける」と書かれていた。ダウンロード数は400万~500万程度。個人的には、上記に挙げた3つのアプリの中では最もシンプルだなと感じた。政治や経済から芸能やスポーツまで幅広く取り扱っており、まんべんなく情報を入手でき、どことなく、「ヤフーニュース」と似た感じを受けた。大体これがざっくりとした感想だ。

 

さて、スマートニュースを他の学生はどのように捉えたのだろうか。以下にでてきた感想を列挙すると・・・

・タイトルが途中で途切れていて分かりにくい

・記事や写真の大きさが違い、見にくい。どれが重要な記事か分からない。

・読み込みが遅い

このようなものがでてきた。意外にも厳しい意見が多かった。これは、ver2がリリースされる前の感想なので現在は多少の違いはあるだろうが、使いづらいという感想が多かった。一つずつ順に見ていこう。

 

まず、「タイトルが途中で途切れていて分かりにくい」という点だ。スマートニュースに掲載されている記事のタイトルに注目すると、各新聞社や配信社などのタイトルがそのまま載せられている。タイトルの長さは記事によってばらつきがあり、全てタイトルが掲載されている記事もあれば、そうでない記事もある。確かに、これでは分かりにくい。一方で私が似ていると感じたヤフーニュースは、タイトルが全て13文字で統一されている。この13文字のタイトルについては、「ヤフー・トピックスの作り方」という本

Amazon.co.jp: ヤフー・トピックスの作り方 (光文社新書): 奥村倫弘: 本

でも書かれているがかなりこだわって行っている。どれだけ良質な記事が掲載されていようとも読まれなければ意味がない。そういう意味でも記事へと誘導する、タイトル付けはとても重要だと言えるだろう。

 

次に、「記事や写真の大きさが違い、見にくい。どれが重要な記事か分からない。」という点だ。これに関して、私個人としては疑問をもった。新聞も記事の大きさや写真の大きさも違うのに、どうしてスマートニュースを使うとこのような感想をいだくのだろう。これに対して、私個人としての回答はないのだが敢えて述べれば、新聞と違いスマートフォンは画面が小さく、その中に様々な大きさの記事や写真があると見にくいと感じてしまうのではないだろうか。また、重要な記事が分からないというのも新聞との比較で見ることができる。新聞は、一面や記事の大きさや文量で記事の重要度が分かるがスマートニュースには、一面はないし文量も読んでみないと分からないのでどれが重要なのかは分からない。この辺りは、どのアプリにも言えそうだが、使いづらいと感じてしまう点であるだろう。

 

最後に、「読み込みが遅い」という点だ。スマートニュースでは、記事をクリックすると、webモードとスマートモードがあり、記事の読み込みが遅い際は、スマートモードを使用してくださいという表示がなされる。私は、この表示が読み込みが遅いと感じさせてしまう原因ではないかと思う。他のアプリを使っていて表示が遅いこともあるだろうが、表示が遅いとまでは思わない。(というかwebモードよりスマートモードの方が読みやすかったりもするもするので読み込みが遅くなるwebモードよりこっちを使った方がいいんじゃないだろうかとも思う)

 

なかなか、厳しい感想が多かったスマートニュースだが、ハフィントンポストから松浦茂樹氏が加わりまた、海外にも市場を展開するなどの新しい動きも様々あり、さらに伸びていくと思われる。ただ、上記に述べたような点をユーザー(かなりサンプルが少ないし偏ってるとも思いますが)が感じてもいるので、UIという点で今後どうなっていくかも注目である。

 

参考文献


SmartNews

 

ヤフー・トピックスの作り方 (光文社新書)

ヤフー・トピックスの作り方 (光文社新書)

 

 

 

ゼミ運営に関して感じること

他に書かなければならない文章がある時ほどブログ等の他の文章を書きたくなるものだ。

 

先日、メディア系のゼミの発表会に行ってきた。私もゼミには所属しているのだが、やっていることが労働問題や貧困問題等である。そのため領域の違う、他のゼミがどのようなことをしているのかというのかに興味があったため、発表会に行くことにした。

 

詳しい内容についてはここでは触れない(読んでる人なんていないと思うけど特定怖いので)。ただ、メディア系のゼミの発表会に行って何点か考えたことがあるのでそれを書いていくことにする。

 

1.技術VS知識・思想

発表会の中で、夏休みのゼミの研修旅行をもとにした映像を観るというセッションがあったのだが、それを観ながら感じたことがある。それは、「どれくらい事前に勉強したのかなあ」ということだ。

 

私は、映像自体の良し悪しについては、何も述べることはできない。どう撮るといいかとかは正直よく分からない。しかし、映像で扱っているテーマの掘り下げ方については述べることができる。映像では、いわゆる社会問題を扱っており、その当事者に対してのインタビューがあった。

 

恐らく、ゼミ生が事前にテーマに向けて勉強はしているのだと思うのだが、観ていると、「もう少し掘り下げられたらいいのに」とか、「このテーマに対してこの人だけに聞いていていいのか」と感じた。

 

メディア系のゼミの内容については、友人から聞くことがあるのだが内容としては、「映像を作る」とか、「文章を書く練習をする」等をしているらしい。いわゆる、本を読んでの勉強等の知識や思想を学ぶみたいなことはあまりしないらしい。もちろん、そういうことをしているゼミもあるだろうが、少ないのは事実だろう。

 

一概には述べられないが、そういうゼミが作る映像や文章は、やはりテーマへの掘り下げ方が甘くなってしまう。また、テーマに対してのインタビューの対象についても、視点の多様性が失われてしまう。技術と知識や思想を学ぶということは難しいとは思うが(時間的にも)そこまでやって作られた映像や文章を発表できるといいなと思った。

 

2.先生方と学生の温度差

また、こういうことを書くと怒られそうだが、先生と学生との間の温度差の違いも気になった。発表会の中では、先生方からの熱い批評があった。また、その場にいたゼミ生に聞くと、普段から大学が閉まる時間ギリギリまでゼミを行っているようだった。課題も多くあるようだし、ゼミ以外にも学生同士が集まる機会が多くあるそうだ。

 

こういうゼミは、別にメディア系のゼミに限らず結構ある。ただ、それに学生側がついてきているのかは疑問だ。以前のエントリーでも述べたが、学生は大学の授業以外にもバイトやサークル等で多くの時間を使っている。その中で、学生がゼミだけに集中して行う環境があるかと言えばそうではないだろう。また、そもそもなんとなくゼミに入ってるとか、ただ課題をこなすだけという学生も多い。そういう学生に対して、熱をこもったゼミを行ってもついてくるわけない。

 

そして、そのような学生がいる中で(全てではないが)、先生側は学生に対して希望を抱きすぎているような気がする。先生方を非難するつもりは全くないが、学生の現状を見るとゼミに集中して取り組むということは難しい。ゼミ運営の問題だけでなくもう少し多面的な問題にも視点を移していかなければならないだろう。

 

最後に・・・

発表会の内容に関して感じたことよりも、ゼミ運営的なところによってしまったが、挙げた2つの点については検討していく必要があるだろう。1つ目に関しては、やはり技術と知識や思想を両方、バランスよく学ぶ必要があるだろう。2つ目に関しては、ゼミという場所の問題だけで片付けてしまってはならない。ただ、いろいろと努力されてると思うのでなかなか難しい問題だなあ。

 

若者のニュース離れ的な議論とは?

唇が乾燥しだすと、季節が変わったなあと感じるのだが今がまさにそれである。

 

今日は、「若者のニュース離れ」について、よく語られることがそうなのか統計的に見てみる。その後で、先日私も含めた10人くらいの学生で議論した、「ニュースを何で読む?」というところにも触れたい。

 

若者の〇〇離れというのを耳にするが、その中でも若者の新聞離れとかニュース離れとかのメディアの使用に関する、若者の〇〇離れというのはよく耳にすることだろう。若者は本当に新聞を読まなくなり、ニュースに触れなくなったのだろうか。結論から述べればそんなことはない。

 

情報通信政策研究所が出している、「平成25年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の新聞・ニュースサイトの利用率の統計をまずは見てみよう。

 

統計の中では、通常の紙の新聞・日経電子版など新聞社が提供する有料ニュースサイト・YOMIURI ONLINE(読売新聞)など新聞社が提供する無料のニュースサイト・Yahoo!ニュースなどのポータブルサイトが提供するニュース配信サービス・いずれの方法でも読んでいないの5つの属性が世代別に調査されている。

 

まず、通常の紙の新聞から見ていこう。新聞の全体の利用率で最も高いのは、65.8%で新聞である。世代別に見ると、10代は、35.3%で20代が、37.2%ととなり平均を大きく下回る。逆に40代以上になると平均を超え、60代では、91.0%とという高い数字が示されている。こうして見ると、若者は新聞を読んでいないことが分かる。

 

次に、Yahoo!ニュースなどのポータブルサイトが提供するニュース配信サービスを見てみる。全体での平均は、31.8%である。世代別に見ると、10代が、25.9%と平均を下回るが、20代は、48.9%ととなり、全世代の中でもっとも数字が高い。20代より上の世代は、だんだんと数字は下がっていき、50代より上の世代は平均を下回る。これも見ると、若者は、新聞ではなくYahoo!ニュースなどのポータブルサイトが提供するニュース配信サービスを利用してニュースに触れていることが分かる。

 

また、最も利用している新聞・ニュースサイトに関する統計もあるが、同様の傾向を示している。

 

つまり、10代や20代と50代や60代では、そもそもニュースに触れる方法が異なるのである。

 

しかし、この統計の中で一つ気になる点がある。それは、いずれの方法でも読んでいないというのが10代で、44.6%で20代では、28.3%とという点である。平均が、18.3%であることからも10代や20代が高いことが分かる。では、この層がどのような方法でニュースに触れているのだろう。その点についての示唆を与えてくれるのが、先日行った、「ニュースを何で読む?」という議論である。示唆と述べたように、この議論の内容が若者全体の傾向を指すことではないことに注意されたい。

 

まず、以外にも新聞を読んでいると話す人が多かった。特に、実家暮らしの人は、家で新聞をとっている人が多くそれを読むようだ。さらに、家で新聞を2紙以上とっていると話す人もおり、新聞の力が衰えてきたと語られるものの、依然として新聞は読まれているのだと実感した。

 

また、先ほどの統計にはなかったが、テレビでニュースを観るという人も多くいた。特に、朝の時間帯は家庭内でテレビがついており、それを観ると話す人が多くいた。

 

さらに、SNS(twitterfacebook・LINE)やスマートフォン向けのニュースアプリを使ってニュースを見ると話す人も多くいた。そして、先ほどの統計の中で、いずの方法でも読まないという層はここにあてはまるのではないだろうか。特に、学生(社会人も?)は、1日の中でまとまって自分にとれる時間は少ない。また、この統計の中には、スマートフォンの利用率に関するものもあるが、やはり10代や20代は利用率が高いく、常にSNS等を通して誰かとつながっている。そういう人たちが、細切れの時間や絶え間ない人とのつながりの中でSNSやニュースアプリを利用するのである。

 

つまり、よく語られることだが、10代や20代と50代や60代では生活の仕方が全く異なるのだ。それなのに、若者のニュース離れと語るのは間違っている。世代による生活の仕方を考慮せずに、若者がニュースに触れなくなったと語ることは甚だおかしいのである。

 

今回は、このあたりで締めめくろうと思うが、先日の議論の中でもう一つ、「ニュースアプリ」についての議論も行ったのでその辺りについて次回書きたい。

 

 

参考文献

平成25年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

http://www.soumu.go.jp/iicp/chousakenkyu/data/research/survey/telecom/2014/h25mediariyou_2summary.pdf

 


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