某一学生の雑記

日々考えてることを書きます。貧困問題や労働問題を一応中心に学んでいます。個人的には、メディアやジャーナリズムや教育に興味ありです。

若者のニュース離れ的な議論とは?

唇が乾燥しだすと、季節が変わったなあと感じるのだが今がまさにそれである。

 

今日は、「若者のニュース離れ」について、よく語られることがそうなのか統計的に見てみる。その後で、先日私も含めた10人くらいの学生で議論した、「ニュースを何で読む?」というところにも触れたい。

 

若者の〇〇離れというのを耳にするが、その中でも若者の新聞離れとかニュース離れとかのメディアの使用に関する、若者の〇〇離れというのはよく耳にすることだろう。若者は本当に新聞を読まなくなり、ニュースに触れなくなったのだろうか。結論から述べればそんなことはない。

 

情報通信政策研究所が出している、「平成25年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の新聞・ニュースサイトの利用率の統計をまずは見てみよう。

 

統計の中では、通常の紙の新聞・日経電子版など新聞社が提供する有料ニュースサイト・YOMIURI ONLINE(読売新聞)など新聞社が提供する無料のニュースサイト・Yahoo!ニュースなどのポータブルサイトが提供するニュース配信サービス・いずれの方法でも読んでいないの5つの属性が世代別に調査されている。

 

まず、通常の紙の新聞から見ていこう。新聞の全体の利用率で最も高いのは、65.8%で新聞である。世代別に見ると、10代は、35.3%で20代が、37.2%ととなり平均を大きく下回る。逆に40代以上になると平均を超え、60代では、91.0%とという高い数字が示されている。こうして見ると、若者は新聞を読んでいないことが分かる。

 

次に、Yahoo!ニュースなどのポータブルサイトが提供するニュース配信サービスを見てみる。全体での平均は、31.8%である。世代別に見ると、10代が、25.9%と平均を下回るが、20代は、48.9%ととなり、全世代の中でもっとも数字が高い。20代より上の世代は、だんだんと数字は下がっていき、50代より上の世代は平均を下回る。これも見ると、若者は、新聞ではなくYahoo!ニュースなどのポータブルサイトが提供するニュース配信サービスを利用してニュースに触れていることが分かる。

 

また、最も利用している新聞・ニュースサイトに関する統計もあるが、同様の傾向を示している。

 

つまり、10代や20代と50代や60代では、そもそもニュースに触れる方法が異なるのである。

 

しかし、この統計の中で一つ気になる点がある。それは、いずれの方法でも読んでいないというのが10代で、44.6%で20代では、28.3%とという点である。平均が、18.3%であることからも10代や20代が高いことが分かる。では、この層がどのような方法でニュースに触れているのだろう。その点についての示唆を与えてくれるのが、先日行った、「ニュースを何で読む?」という議論である。示唆と述べたように、この議論の内容が若者全体の傾向を指すことではないことに注意されたい。

 

まず、以外にも新聞を読んでいると話す人が多かった。特に、実家暮らしの人は、家で新聞をとっている人が多くそれを読むようだ。さらに、家で新聞を2紙以上とっていると話す人もおり、新聞の力が衰えてきたと語られるものの、依然として新聞は読まれているのだと実感した。

 

また、先ほどの統計にはなかったが、テレビでニュースを観るという人も多くいた。特に、朝の時間帯は家庭内でテレビがついており、それを観ると話す人が多くいた。

 

さらに、SNS(twitterfacebook・LINE)やスマートフォン向けのニュースアプリを使ってニュースを見ると話す人も多くいた。そして、先ほどの統計の中で、いずの方法でも読まないという層はここにあてはまるのではないだろうか。特に、学生(社会人も?)は、1日の中でまとまって自分にとれる時間は少ない。また、この統計の中には、スマートフォンの利用率に関するものもあるが、やはり10代や20代は利用率が高いく、常にSNS等を通して誰かとつながっている。そういう人たちが、細切れの時間や絶え間ない人とのつながりの中でSNSやニュースアプリを利用するのである。

 

つまり、よく語られることだが、10代や20代と50代や60代では生活の仕方が全く異なるのだ。それなのに、若者のニュース離れと語るのは間違っている。世代による生活の仕方を考慮せずに、若者がニュースに触れなくなったと語ることは甚だおかしいのである。

 

今回は、このあたりで締めめくろうと思うが、先日の議論の中でもう一つ、「ニュースアプリ」についての議論も行ったのでその辺りについて次回書きたい。

 

 

参考文献

平成25年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

http://www.soumu.go.jp/iicp/chousakenkyu/data/research/survey/telecom/2014/h25mediariyou_2summary.pdf

 


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